世俗的な停滞は終わらない

市場金利は、インフレとの戦いにおいて中央銀行金利が高騰しているときでさえ、実質金利が現在低いことを示唆している。このことは、r-gの10年予測に反映されており、米国、ユーロ圏、日本がマイナスとなっている。金利低下の背景には、人口動態、所得水準の上昇、安全資産への需要の高まりなどがある。著者は、投資がどのような展開を見せるかについては不確実性が高く、それがr-gの上昇を招き、財政余力や財政政策の活用の余地が小さくなる可能性があると論じている。しかし、筆者は、低金利とマイナスr-gが今後の最も可能性の高いシナリオであると考えている。したがって、インフレとの戦いに勝利した後は、財政・金融政策の選択肢を検討することが重要である。

 

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